MS の Xbox 部門の最高責任者 Phil Spencer 氏が 「Universal Windows Platform でゲームを作ろうぜ」と言ったのを皮切りに、
ここ数日で一気にアンチMSムードが漂い始めてきました。

そもそも、こいつが PS4 に大敗しなければこうならなかったんでしょうけど、PS4 と比べるとなぁ…

僕にもよくわからない状況になっているので、とりあえず自分の理解をまとめておきます。

そもそも UWP って？

自分の理解では、 UWP で開発したゲームは MSDNの説明 を、見る限り…

• DirectX を利用するアプリでは C++ での開発となるので、現時点では今まで通り PC と XboxOne で同一のバイナリを動かすことはできない
• C++ 以外 (C# や VB、HTML5+JavaScript) で記述されたゲームは様々なハードで動作させることが可能
• DirectX のユーザー入力ライブラリ XInput が WindowsSDK Windows.Gaming.Input に置き換えられる
  • DirectX からユーザー入力ライブラリが消えるんだけど・・・
• Xbox Live 機能が Windows10 でも利用できるようになるので UWP ゲームは Xbox Live 関連の機能を利用することが出来る
  • これに対応しておくと、将来的には XboxOne でも UWP ゲームをリリースできるようになる
  • 多分これが Windows ストアでしか販売できない

という感じのものになるので、通常のゲーム開発者は ”嫌なら UWP は非対応” で済む話じゃないかと思います。
ID@Xbox プログラムに参加しているインディーデベロッパーは、猶予期間を経て UWP ゲームじゃないとリリースできなくされる可能性はあります。
しかし、それを MS からアナウンスされていない段階ではどうこう言う話ではありません。

敢えて言うなら XInput の後継が DirectX に含まれないという方針は、いろいろどうかしていると思いますが
DirectX ＝ Direct3D にしたいのか、段階的に DirectX 事業を収束させたいのかするんですかねぇ。

それでなんで炎上するの？

そういう状況なのに、XboxOne が思ったほど成功していない状況故か、Phil Spencer 氏が
「(スペックさえ満たせば)Windows を積んでるあらゆるハードで同じゲームが遊べるようにしたいなぁ」
なんてかなり先の未来の話をするから、

MS は UWP を PC ゲーム開発者に強いて、Windows Store で販売独占を従っている

と言い出す輩が出てきたんだと思います。
実際 XboxLive 機能対応したアプリは Windows Store でしか売らないでしょうけど、それは
steam が SteamWorks を提供しているのとおんなじことだと思うんですよね。

炎上している理由はもうひとつありそう

次世代 OpenGL こと Vulkan の台頭と統合型ゲームエンジンの登場によって DirectX の優位性が衰え、
マルチプラットホーム化を考えればむしろ DirectX なんて不要だと考えるゲーム開発者は少なくないんじゃないでしょうか？

DirectX8 世代では圧倒的に DirectX が先進的だったし、ゲームデベロッパは多少の不満があろうとも OpenGL が選択肢になることはなく、
グラフィックス以外の機能も充実していった DirectX は凄く価値のある存在だったんですけど…

そこに MS 内のゲームスタジオ閉鎖

個人的には (現地でバレるので) GDC 2016 の前に報告しなければならなかったんだと思いますので、リストラ已む無し。諸行無常。 とションボリするだけの話題を炎上しているときに発表せざるを得なかったと思ったりするのですが、「Fable シリーズ」の Lionhead Studio など5つほどの内作スタジオが閉鎖されました。

ピーター・モリニューが立ち上げた有名スタジオが無くなるというのはファンには答えますよね。そりゃ中の人も不満を爆発させますし、炎上しますよ。