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[PS4][レビュー]龍が如く6 先行体験版

極は 0 の派生で、初代を低コストでリメイクしようという作品なので後回し。
レビュー初回なのに、ゲームの面白さじゃなくてテクニカルな話で申し訳ありません。(謝罪の意志無し)
※ PS Store のアフェリエイトプログラム申請中なので、通ったら画像とか広告貼ります。

新規設計と思われる新規ゲームエンジンに刷新

過去の龍が如くシリーズでは、独自のゲームエンジンを改良させながら使い続けてきた(5 で大きく手を入れたらしいけど)ため、国内のシリーズ物としては驚くべき短期間でタイトルをリリースし続けられたんですが、今回は恐らくフルスクラッチ。
完全に新規に用意したゲームエンジンを採用しています。

ユーザーは成果物しか触れないため、グラフィック以外の機能は普通判らないんですが、コレは絶対全く違う思想のゲームエンジンだと言い切れます。
理由は沢山あるんで下記参照。

可変フレームレートで PC のゲームに近い "落ち方"

端的に言うと、 XBOX360 の UnrealEngine3 のゲームを思わせるフレームレートです。

極では、非常に厳しいケースではバリバリティアリングを起こすものの、通常プレイ中は物凄く安定してました。日本のゲームって大体そういう方向性です。
しかし、6 の先行体験版は どこでもちょこちょこ落ちます。
まるで UnrealEngine3 のように! (UE4がどうかは肉眼で見ていないのでシラネ)
名倉メイクライをプレイして、UE3 臭を感じる方なら判って貰えるかと。

開発体制がガラッと変わって 「Windows 版を優先的にビルドして開発を進めるような作業フローに変わった」のかもしれません。
リードプログラマも若くて優秀な人に変わってそうです。

本件については最終版までに最適化が行われそうですが、体験版で注目して欲しいです。

アセットの汚れや劣化がリアルになった

PS3世代の龍が如く は業界のトレンドを無視して、あまり汚れた感じを出さない絵作りをしていました。
が、コロッと180度方向転換して、
  • 今まで: 常に新品のスーツを来て、ピカピカの革靴で顔を蹴る、伝説のヤクザ
  • 今回: 膝裏にシワが寄っているジーンズを履き、そこら辺の不良から剥ぎ取ったダウンジャケットを着た若作りのオッサン
というイメチェンが行われています。
神室町の建物も、新築ビルから築20年以上になった感じです。
ブロック塀も所々崩れて鉄筋が見えてる凝りっぷり。

良くも悪くも特徴的で非常に量産しやすそうだった過去作が好きだったんですが
良くも悪くも没個性化し外注に依頼しやすいだろうけどそもそものコストが高そうなアセットなので
開発費が心配になります(´・ω・`)

なお、キャラクタの顔の作り込みは日本クオリティ(非常に高い)。

YEBIS3 を採用

ポストエフェクト処理に YEBIS3 が採用されてます。
龍が如くは、明らかにこの分野に弱いので、ナイス判断だと思います。
披写界深度表現が凄く自然で、グレア表現により歓楽街の特有の明るさと暗さを上手に表現できてます。
苦手分野を理解して、適切にフォローできるというのは当たり前だけど素晴らしい判断かと。

建物へシームレスに移動可能になった

建物への出入りが完全にシームレスになりました。
光学ドライブがシャコシャコ言わない DL 専用なので、バックグラウンドローディングがどんな感じか全くわかりませんが
"建物の前で ○ ボタンを押すとローディングして建物の中に入る" のではなく、FPS みたいに建物内まで1つのマップになってます。

極 のローディングは短かく不満はなかったのですし、今までも必要に応じてドアや階段をシームレスに移動する大規模戦闘シーンが実現出来ていたんですが
なんでこういう仕様にしたんでしょうか?
技術的凄さは体感出来ますが、ユーザー体験への寄与は (デモの範囲では) ほとんど感じられず、
建物内も込みで街全体を1つのマップにするのはデザインの作業コストが増えて大変そうです。

戦闘もシームレス

戦闘もシームレス化してます。
伝統的な、チンピラが殴ってくるのを避けるデモ中にモブがリングを作る という演出は無くなりました。
また、敵を倒すと土下座して謝る というのも無くなり、倒れた敵は透けて消えます。

僕は今までの「ファンタジー RPG のセオリーを現代の歓楽街に適応させたらこうなった。ほぼコントだが変える気はない」って感じが
好きだったのでデメリットしか感じません。
ファミコン世代から続く JRPG の文法に沿っていたので、ここに違和感感じる人は少なくないんじゃないかなぁ…

戦闘システムが凡庸になった。

僕が初代龍が如くを買った理由は、闇金の社長をダルマで殴る という衝撃的なスクリーンショットに惹かれたからです。
買った直後もスクショ詐欺だろうと馬鹿にしていたら、あらゆるオブジェクトを武器にしてボコボコにするフリーダムさと、
必殺技=えげつない攻撃 というオラオラしたヤクザ感に魅了された人間なので、6 の戦闘システムは今から変更して欲しいレベルで嫌いです。
嫌いなので、以下箇条書き。
  • 物を掴めない。つまりピースファイナンスの社長をダルマで殴れない。
  • ヒートアクションの廃止により、えげつない喧嘩殺法がオミット
  • 戦闘終了後、雑魚は透明度が増加して消える。喧嘩に負けて謝るという微妙なリアルさが無くなった。
  • 多人数vs多人数の戦闘が実現したが、無敵の極道は群れないほうがカッコいいくない?

総評

MGSV と同様に、海外大作へのコンプレックスが強すぎて、よりコストをかけて、よりリアルなグラフィックにして、技術的に難しい事を
しようというエンジニアリングドリブンな製作体制になってるんじゃないでしょうか。

所詮は200万本売れないタイトルに、1000万本売る前提の製作コストをかけちゃ駄目だと思うんですが…
龍が如くシリーズの美徳である効率重視は健在で、僕の杞憂が一人歩きしてるだけだと信じたいっす。


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