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今更ながら AMD の新規 GPU アーキテクチャ Polaris について

4Gamer 経由。
[GDC 2016]AMD,次世代GPU「Vega」と次次世代GPU「Navi」の存在を公表。PolarisはHBM1もしくはGDDR5X対応か


正確には Capsaicin という AMD 主催のイベントで発表されたんですが、AMD も 2019年までのロードマップを公開するとは…




これを2個半買えば Polaris も怖くないですよ。

性能向上に関して(ただし、ワットパフォーマンス比)

AMD 曰く、28nmプロセスで製造されている現行のGPU から Polaris で2.5番、続く Vega, Navi でも同程度の改善ができると言っています。
Polaris に関してはまぁ出来るでしょう。単純に現行 GCN アーキテクチャを使ってもトランジスタ密度が増える分と GDDR5 → GDDR5X でも理論値で1.5倍くらいの性能出るでしょうし…


と言っても 14nm の省電力プロセスは現行と比べてそこまで電力削減効果を見込めないっぽいので、2.5倍の性能向上を謳う Polaris アーキテクチャは結構大がかりな変更がなされていて
Kepler/Maxwell 世代と同じくモバイルまで包括するような設計になってると思われます。
NVIDIA も Kepler と Maxwell でワットパフォーマンスを追及したらモバイルでも通じるスケーラビリティの高いアーキテクチャになったと言ってましたし、NVIDIA を意識してK-12
(ARMv8互換コア) のモバイルAPU からハイエンド GPU までを単一のアーキテクチャでカバーしたいでしょうから、意図してもしなくても似た方向性になるでしょう。


GCN そのものが元々スケーラビリティの高いアーキテクチャだったと思いますが、いささか設計思考が古いですし、先行する NVIDIA を参考に出来るでしょうから Polaris は Kepler に相当、
Navi が Maxwell に相当するって感じですかね。


Navi については、この記事が参考になりそうです: PCWatch: FinFET時代のGPUアーキテクチャに影響を与える配線技術

2.5倍という数値を深読みしてみる。

AMD にとっては、この数字が結構大事で、


左右2枚のパネルに映像を表示させ、それぞれをレンズに合わせて画像補正する必要がある VR 向けコンテンツでも、現在のグラフィックス品質を維持できるよ


と言いたいのだと思います。実際には、各パネルの解像度はフルHDより低く、代わりにリフレッシュレートが高い という要素も鑑みる必要があるのですが、
VR に期待しているコアゲーマーに対しての判りやすい指標として 2.5倍 なのではないでしょうか。

HBM について

各所でさんざん議論されていますが、僕の予想は Polaris 設計段階では HBM 2.0 を想定していなかった or HBM 1.0 のメモリダイが余っている です。
後藤氏の記事によると、 SK Hynix しか HBM を製造していなかったようなので、色々事情がありそうです。


Vega がマイナーバージョンアップに留まるけど、 HBM 2.0 の採用でメモリ帯域の改善がされ、結果 継続的な性能向上を謳える状況になっちゃったのでは?

おまけ

色々書きましたが、「AMD の言ってる事」だという事を忘れずに…



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